歯科のイノベーション

tooth11_01 みなさんは「予防医学」という言葉を聞いたことがありますか?
予防医学とは、病気にならないように未然に防ぐ医学です。
最近ではマスコミや書籍などで健康関連の情報が盛んに取り上げられていることもあり、日本人の健康への意識は非常に高まっています。
それに伴い、生活習慣病の予防のために、食生活の見直しや運動不足の解消に積極的に取り組まれている方も多いと思います。

では、お口の中の健康についてはどうでしょうか?
歯周病が全身の健康に悪影響を及ぼすことが明らかになっているように、お口の中の健康と全身の健康は密接に関わり合っています。

例えば、当院では矯正治療による「噛み合わせ」の改善にも力を入れているのですが、歯の噛み合わせに違和感がある患者様は「肩こり」「頭痛」「手足のしびれ」「不眠」など原因不明の身体の不調を訴えられます。
でも矯正治療を行うことで、あれだけ悩まされていた身体の不調がウソのように消える方が少なくないんです。
また、歯を失い、きちんと噛めなくなると、脳への刺激が減少して記憶力の低下を招いたり、食べられるものが限定されるので栄養が偏るなどの問題が指摘されています。
さらに、1本でも歯を失い「日常生活に困らないから…」とそのまま放置しておくことは身体全体のバランスを崩す原因です。
身体のバランスが崩れると転倒しやすくなります。
特に高齢者の方は、毎年3人に1人が転倒を経験し、転倒した方の6%は骨折するそうです。
骨折してしまうと、そのまま寝たきりになってしまうことも多いのです。

このことからも「よく噛める」ことは全身の健康を維持する基本となり、よく噛んで食べるためには健康な歯が欠かせません。
歯を健康に保つことは、食生活を豊かにすると同時に、年を重ねても介護を必要とせず、自立した生活ができる期間(健康寿命)を伸ばす最善の取り組みだといえます。

歯科も「治療」から「予防」へ

これまで日本では「歯医者は歯が悪くなってから行けばイイや」という考え方が一般的でした。
でも悪くなってから歯医者に行くと、たいてい歯を削られるか、神経を取られるか、歯を抜かれるか、みなさんがどれもされたくないイヤな治療ばかりです。また、「悪くなった歯の治療のために歯医者に行く」という従来の歯科の活用方法では、年を重ねるごとに歯を失っていくことを防げないこともハッキリしています。

また最近では、歯科治療に使用されている金属がアレルギーを引き起こす危険性が高いことが明らかになりつつあります。

ぜひ一度、ご自身のお口の中を鏡で見てください。
むし歯を治療した歯に銀の詰め物は入っていませんか?

保険診療でむし歯の治療に使用する歯の詰め物には、人体に有害な水銀を含む金属化合物「アマルガム」や「金銀パラジウム合金」が使われてきました。これらが恐ろしいのは、知らない間に口の中で溶け出し、体内に取り込まれ蓄積していくことです。
その有害性については、人体が水銀で汚染されることで引き起こされる水俣病を思い浮かべてもらえばお分かりいただけると思います。

もしかしたら「保険が適応されているということは国が認めている材料なんだから、まさか人体に悪影響を及ぼす危険性がある材料を使わないだろう」と思われている人もいると思います。
でも、その基準は日本が貧しかった戦後に、誰もが生きていく上で最低限の医療が受けられるようにするために採用された基準です。あれから半世紀以上たった現在でも未だにその基準はほとんど見直されないままです。
日進月歩で進化している歯科医療の中で、保険が適応される治療は必ずしも患者様にとってベストとはいえないケースは増えています。

これから私たち歯科医院に求められる役割は「悪くなった歯を治療する」ことではなく、「患者様の歯が悪くならないように予防する」ことです。患者様のお口の中で歯周病菌やむし歯菌を増殖させない環境をつくり、それを維持し続けることです。

特に歯周病は、慢性の細菌感染症です。私たちに自覚症状を感じさせないまま、20年、30年という長い時間をかけて、確実に進行していきます。自然治癒することは絶対にありません。
歯周病が全身に悪影響を及ぼすのは、お口が内臓とつながっている入口だからです。
お口の中で増殖し続けている歯周病菌が、全身への入口であるお口から日々体内へ侵入していることは、容易に想像していただけると思います。血流により全身に運ばれた歯周病菌は、死に直結する病を引き起こす危険性もあることが明らかになっています。

逆に言えば、お口の中を健康に保つことこそが、全身の病気の根本原因を解消する糸口になっているともいえます。
そう考えると、歯科医療はお口の中だけにとどまらず、全身の健康維持、健康増進にとって必要不可欠であるという認識が今後スタンダードになっていくはずです。

tooth11_02 だからこそ、あなたには仮に今は歯が悪く(痛く)なくても、歯科医院に定期的に通って欲しいのです。
そして専門家である歯科衛生士に、あなたの歯の健康が常に良好に保てるように継続的に管理してもらってください。
それはあくまで「メンテナンス」であって、「治療」ではありませんので、これまでのようにツラくてイヤな思いをさせることもありません。

私たちは患者様のお口の中を生涯にわたってケアしていくことで、歯の健康だけでなく、全身の健康増進のお手伝いをしていきます。
それが、患者様の人生をむし歯や歯周病で一生苦しませることなく、いつまでも健康的でイキイキと過ごしてもらう方法だと確信しています。

▶患者様の健康増進に重要な役割を担う歯科衛生士とは

歯のグローバルスタンダード
  • なぜ日本人の歯は弱いのか?
  • 世界から見た日本人の歯の非常識
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  • お口のトラブルと命に関わる病
歯を失う3つの理由
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